【第1打】パチンコ屋~得体の知れぬ危険地帯~【スロ狂いの詩】
第1打. パチンコ屋~得体の知れぬ危険地帯~
スロットとの出会いは、中学生か高校生の頃。
地元の先輩に呼び出されたことがキッカケだった。
呼び出された理由は忘れたが、待ち合わせ場所は家から徒歩で15分ほどのパチンコ屋。
先輩の呼び出しということで、足早にホールへ向かった。
俗に言う、柄の悪い地域だったこともあり、特にパチンコ屋にはそういう人達が集まった。
時代が許していた部分もあったと思う。
台パンと言われる筐体を殴る行為や、今でもたまに見かけるが、ジャグラーのGOGOランプや沖スロのハナ達が、タバコの火で焼かれた光景は当たり前だった。
金髪の店員、子連れの主婦、ワンカップを持った酔っ払い。
真面な人間が存在しない空間。
地元の悪い先輩や怖い大人が現れる危険地帯。
当時、自分にとってパチンコ屋のイメージは、決して良いモノではなかった。
そんな危険地帯に呼び出されたということで、多少の恐怖を身に纏っていたのを覚えている。
ホールに着くと、一度大きく息を吸い、吐き出さすと同時に重い足を一歩前に進めた。
初めて入ったパチンコ屋。
怒号ような音のおかげで、纏っていた恐怖は一瞬で剥がれ落ちた。
年齢がバレるのはマズいと思い、精一杯大人を演じる。
無駄に胸を張り、自分を精一杯大きく見せて先輩を探した。
客は疎らだったと思う。
とても楽しそうにゲームを楽しむ老人。
生死を賭けたような表情でレバーを叩く作業着姿の男。
しかめっ面で咥え煙草の女。
初めて入ったホール。
そこには様々な人が、実に人間らしく存在していた。
そんな中、一際コインを獲得している不良の後ろ姿が…先輩だ。
声をかけ挨拶すると、「タバコに交換してきてくれ」と10枚程度のコインを渡された。
先輩の頭上には約3000枚のコインの山。
当時タバコの値段は200円程度。
コインの価値が1枚20円だと分かった時、先輩の機嫌の良い理由が分かった。
危険地帯で飛び交う大金。
「パチンコ屋には近づかない方が身の為だ」
初めてのホールで思ったのは、こんな感情だったと思う。
実際、それから数年はホールへ行くことはなかった…。
どういう話の流れだったかは忘れたし、どういう真意があったのかも不明だが、母の言った言葉で強く心に残っているモノがある。
「うちの家系は博才がないから。」
博才がないはずの家系に生まれた男は、数年後、スロプロとして生きていくことになる。
タイトル
【第0打】はじめに~ある男の歩んだ道~
【第2打】ギャンブル~何かを賭ける快感~
【第3打】稼げる遊び~師匠との出会い~
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