【第3打】稼げる遊び~師匠との出会い~【スロ狂いの詩】

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第3打. 稼げる遊び~師匠との出会い~

高校を卒業して就職すると、職場では様々なギャンブルの話が飛び交っていた。

自分が住んでいたのは全国的にも珍しく「競馬・競輪・競艇・オートレース」全ての公営ギャンブル(公営賭博)の競技場が存在する地域。

工場勤務に地域性も相まってか、当時の職場はギャンブルをする人が多かったんだと思う。

上司によっては「社会人の嗜み」というような表現で、ギャンブルを進めてくる人も居た。

そして、休憩中や昼休みに繰り広げられるギャンブルの話に付いていく為にもと、再びホールへと足を運ぶようになったのである…。

ただでさえ少ない給料を削っていくスロットでの敗北。

もちろん勝つ事もあったが、勝てば豪遊したり人に奢ったりもした。

負けは負けで積み重なり、勝てば勝ったで散在する。

「これでは金が減る一方だ」

この決定的な事実に気付けた時、やはりギャンブルはするべきじゃないと思えた。

負けたまま退散するという事に何とも言えない悔しさが残ったが、いつか母が言った「うちの家系は博才がないから」という言葉を用いて無理矢理に自分を納得させた…。

それから数年後、務めていた会社を辞め、生まれて初めて実家を離れる決断をした。

とりあえず現状を打破したいといった感情から、知人を頼って同居させてもらうことに。

知人は大学に通っており、歳が同じだったので彼の大学の友達とも仲良くなっていった。

その中に、色んな意味で自分の人生を大きく動かした人物が…

自分にスロットの勝ち方を教えてくれた師匠である。

会社勤めを辞めてしばらくは失業保険を貰う為に職に就く気はなかった。

そんな自分に「スロットで稼げば?」と提案してくれたのである。

当然、スロットを運任せのギャンブルだと思ってた自分は「無理だろ?」と返答した。

それに対して彼は具体的な提案をしてくれた。

それが自分にとっては初めてのスロットでの攻略法「モーニング」だった。

「モーニング」とは、ホールが意図的に朝一ボーナス当選状態の台を用意するサービス。

当時は客寄せの為に「モーニング」を仕込むホールが存在した。

そのホール情報を教えてくれて「このホールで朝一だけ打てば勝てるよ♪」と提案してくれたのである。

始めて「モーニング」を拾いにいった朝。

ボーナスに当選してるのは主に完全告知機以外のノーマルタイプで、5~10台に1台ぐらいの割合で投入されていた。

端から1枚かけでボーナス当選のチェック。

すると、本当に数台目で大当り。

この時の感動にも似た感情は、今でも薄らと覚えている。

たまたまではない、勝つべきして勝った初めての勝利。

この日の行動はギャンブルとは掛け離れたモノだと本能的に理解できた。

それからも師匠からは「解析・確率・期待値・天井」などなど、それまでは知らなかったスロットで勝つ為に必要な要素を色々と教えてもらった。

どの話も理に適ってて、興味深く、彼の話に熱中し耳を傾けた。

そして、数ヵ月が経った頃、自分の中でスロットはギャンブルではなく、お金が稼げる遊びへと変化を遂げていたんだ。

タイトル

【第0打】はじめに~ある男の歩んだ道~
【第1打】パチンコ屋~得体の知れぬ危険地帯~
【第2打】ギャンブル~何かを賭ける快感~


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