【第2打】ギャンブル~何かを賭ける快感~【スロ狂いの詩】

【第2打】ギャンブル~何かを賭ける快感~【スロ狂いの詩】スロット/パチスロ
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第2打. ギャンブル~何かを賭ける快感~

実際にスロットを初めて打ったのは、中学生か高校生の頃。

生涯の悪友に教えてもらった。

彼は小学生の頃から父親と一緒にパチンコ屋に行っていたらしく、妙に慣れた手付きだったのを覚えている。

友人に勧められ適当な台に並んで座った。

「この華が光れば大当りやけ!」

友人は煙草の煙を吐き出しながら教えてくれた。

仕組みもよく分からぬまま、言われるがままに打った。

しばらくして、ハイビスカスが光った時は妙に胸の辺りが高鳴った。

友人と笑い合った。

嬉しかった。

興奮した。

助かった…。

今でも思うことがある。

お金があれば大概の事は出来る。

とにかく遊ぶ為の金が欲しかった時期。

帰る頃に中身が二千円か三千円ほど増えた財布は重く、そして足取りは軽かった。

ある意味で生まれて初めて自分で稼いだお金。

その日は寝る寸前まで体が熱かった。

それから頻繁に友人とホールへ通った。

何も知らぬまま。

「この華が光れば大当り」

情報は、それだけ。

何も考えず適当に打っていた。

時には自分の誕生日と同じ番号の台を。

ラッキーセブンという言葉を知った日には777番の台を。

当然、負けた。

だけど何故か変な自信があった。

「自分は大丈夫。」

ギャンブルで身を滅ぼす人間の多くが信じている。

都合の良い考え方から生まれる亀裂。

その僅かな亀裂の修復は驚くほど難しい。

その小さな穴から二度と這い上がれないほど底に落ちた人を何人も見てきた。

「自分だけは大丈夫。」

ギャンブルは、本能に従って闘うと負ける様に出来ている。

だから胴元が儲かる。

「素人・負け組・カモ・養分」

当時の自分は間違いなく、そういう存在だった。

そして、いくら負けたのかも分からぬまま、金が尽きホールに行く機会はなくなっていった…。

タイトル

【第0打】はじめに~ある男の歩んだ道~
【第1打】パチンコ屋~得体の知れぬ危険地帯~
【第3打】稼げる遊び~師匠との出会い~


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